「ゴールデンカムイ」を読んでいるでござる。土方ファン、必見。
今になって「ゴールデンカムイ」を愛読している。
明治初期の北海道という題材であそこまでわくわくする話を書けるものなのかと感動していた。特に書くまでの調査が実に綿密で、アイヌ民族の風俗や、日露戦争後の軍人たちの生活や実体などなど、その作画も相まって本当にこんな人たちがいたんじゃないかと思えてしまう。
そして谷三十郎としては、ここに登場する新選組たちを特筆しないわけにはいかない。
当時隠遁して小樽に住んでいた永倉新八はもちろんの事、なんとあの土方歳三が存命していたという、歴史好きなら胸が高まる展開が待っているのだ!
これはアツい、本当にアツい。
例えるなら、エジプトでDIOと戦う承太郎とジョセフの前に、シーザー・ツェペリが再登場して加勢してくれるぐらいアツい。
そして作者の「新選組観」(新選組に対する認識)が垣間見えるのも面白い。家臣になれと迫る近藤を否定し、脱走した永倉。その永倉に、土方は言うのだ。「誰よりも新選組に拘ったお前」と。
これほどアツいことがあるだろうか。この時、彼らの脳裏には、浪士組が江戸に帰った日の壬生の町と空が映っていたのではないか。まだ新選組が、幕臣はおろか局長副長という別もなく、ただただ彼らが「同志集団」だったあの日。
……とこのように、幕末好きをここまで遠くまで連れて行ってくれる「ゴールデンカムイ」。是非、史実の勉強はちょっとお休みして、読んでみて欲しい。
新選組をこよなく愛する谷三十郎にとっては、今後の土方歳三に目が離せない。最近読み始めたばかりだが、今、土方は銀行強盗をやって和泉守兼定を奪い返している。
さて、北海道で大暴れする土方歳三だが、設定上箱館戦争の三十年後が舞台であるため、御年六十五歳である。作中ではカッコいい彼だが、ひょっとすると年相応の悩みを抱えているのかもしれない。
例えば、歳と寒さのせいで体の節々が痛んでいるとか。
永倉「どこが痛むんです?」
土方「肘、肩……歳ぞ……」